日本の高齢化率の高いわけ。 > kuu
きょうの日々雑記は、「長寿社会論」の講義で学んできたことを書きたいと思います。
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日本の平均寿命は世界一です。
65歳以上だと、高齢者と呼ばれてしまいますが、その65歳以上の人口が全人口に占める割合を高齢化率と言います。
日本はこの高齢化率も非常に高い!
豊かな国ほど高齢化率は高いのですが、日本より高齢化しているのはイタリアだそうです。(意外!)
高齢化する理由のひとつは、衛生環境の向上、食糧事情の安定、医療の発展により、人々の寿命が延びるから。
もうひとつは、子供の人数が減るからです。
日本の高齢化率は急速に進みました。
なぜでしょうか。
「人口転換」という言葉があります。
「多産多死の状態から近代化し、少産少死の状態に移行すること」を言います。これが起きると基本的に少子化するので、その結果、高齢化することになります。
ポイントは、この人口転換にどのくらいの時間がかかるか、という点です。具体的には、4~5人産んでいる状態から、1~3人(約2人)産む状態になることをいいます。
日本はこの人口転換が「世界的にみて劇的に短期間に済んだ国」として認識されています。
人口転換の早かった理由に、kuuは衝撃を受けました。
戦後の食糧事情の悪い時代に、ベビーブームが起きました。
戦後の貧困、食糧不足をさらに悪化させないように、政府はある方策を出しました。「中絶の公認」でした。
その時代、非合法に一般に行われていた堕胎を1948年、優生保護法によって許可したのです。
1949年には、経済的理由による人工妊娠中絶が許可されて、事実上中絶が野放しになったと言われています。
1953年からは、年間100万以上の中絶数が続きました!
研究者によると「やみ堕胎」はこれと同数かそれ以上あったと言われています。(ちなみに1999年の中絶数は 337,000)
この急激な人口調整がなければ、ベビーブームはもう少し長引き、いずれは高齢化するにしろ、ここまで急速な高齢化はなかった・・・という仮説が立ちます。
高齢化自体は悪いことではありません。
少子高齢化に合った社会システムが用意できていないのが問題なのです。
戦後の愚策のツケがまわってきたんですよね。
自衛したとしても、高齢化ピークの時代、世の中は荒れるだろうな…。
2015年がヤマだそうです。
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