闇の力を光へ。 > kuu
俳句雑誌「伊吹嶺」は、義父母の俳句と共に、おっちゃんの写真を裏表紙に使ってくれています。8月号の写真は、これでした。

ついてくるやうにも思ふとんぼかな 細見綾子
おっちゃんの写真の中でも、対象へのやさしさを感じさせる写真だと思います。
カメラレンズと とんぼの間に、お母ちゃんの姿が見えるようです。
「伊吹嶺」8月号掲載の、加藤孝男さんの連載エッセイに、ステキな言葉がありました。
俳林逍遥(47)『闇の力を光へ』表現者はマイナス(闇)の衝動を、プラスの力に変化させる方法を知っていなければならないのです。
伊吹嶺2004年8月号P26、より引用。
加藤孝男(歌人・東海学園大学教授)
長崎の佐世保で起きた小学6年の少女が同級生を殺害した事件をとりあげ、「作家になりたかった少女は、その衝動を、なぜ文芸のかたちに昇華できなかったのだろうか」と、書かれています。
考えてみれば文学の歴史は、作家の持つ暗い情念が、光の方向に解放されることで、作品としての輝きを生み出してきました。我々が何気なく読む作品は作者の止むに止まれぬ宿命が書かせたものといっても過言ではないのです。引用、同上。
止むに止まれぬ宿命が書かせた、と感じさせてくれる小説を、強烈に読みたくなりました。ふと、思い出した作家。アゴタクリストフ。
新しい小説は、選び方が悪いのか、なかなかピンときません。
もう、好きな小説を読み返すだけで、人生の終焉を迎えられる年になったように思います。
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