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2005.10.26

朴の実は食べられるのか。 > kuu

むろぴいさんから「朴の実は食べられるのでしょうか」との興味深いご質問をいただいて、kuuなりに調べてみました。
まず、ネットで調べたこと。(ほぼコメント欄からのコピペです。ちょっと訂正あり)

・朴の実は一般的には食べられるものとしては認知されていない模様。
けれど、お茶にすることはできるようです。

(動物が中の種を食べても殻は残るので)楕円形の殻のまま朴の実を乾燥させて煎じてお茶にする。参考ページ←こちらに乾燥させた朴の実の画像があります。

・動物が食べるのなら種の部分(種子のまわりの赤い種皮)を人間も食べれるのかなあ?と思いましたが、毒成分が強い可能性もあるので先人の記録がなければ自分で試したりはしたくないです。(^_^;)

・以前、どこかで朴の実のお酒がおいしいと書いてある記述を読みましたが詳細不明です。朴の花のつぼみのときのものをホワイトリカーに漬けてお酒にする、という説もあるようです。

・余談ですが、ホオノキの樹皮をはぎ取って乾燥したものを和産厚朴と称するそうです。煎じた汁は健胃(消化器官)剤として、腹痛、利尿、去痰に効果があるとか。また、駆虫剤としても利用されていたとか。
本来の漢方の「厚朴」は近縁の別種だそうです。

・ついでに。朴葉味噌で知られるように大昔から大きな葉っぱは食器代わりに使われていたようです。朴の葉は香りがよく殺菌作用があります。
朴葉味噌の場合は一晩葉っぱを水に浸けておかないと、焙った火でこげちゃいます。枯れた葉だけでなく、緑の葉も同様に水に浸けておいて使います。
おにぎりなどを包むときは、先に火で焙ると使いやすいそうです。
水に浸ける、火で焙る、というのは、殺虫かアク抜きも兼ねているのかな?と想像。

ここまでがネットで調べたことです。

「実を食べたって話は出てこないねえ」と話すと、おっちゃんからこんな仮説が出ました。
「生食すると幻覚作用があるって可能性はないだろうか。もしそうなら、食べられるという話がおおっぴらに表に出てこないだろうしね」
おっちゃんの仮説の根拠はコーヒーの原材料となる赤い実にその説があるからです。(←豆の品種によるようです)

この仮説は面白い!
ということで、学校の図書館で調べまくり…。

・・・そんな説を裏付ける話は出てきませんでした。。orz
調べた範囲では、漢方としての使い方か、朴の葉を食器や包装に使った朴葉味噌や朴葉餅などのことしか出てきませんでした。
もし、朴の実を食べたという話を聞いたことのある方がいらっしゃれば、ぜひ教えてください。情報料はおっちゃんの焙煎した珈琲豆で、いかがでしょうか?

図書館で見たなかでいちばん面白かった本は、「食べられる野生植物大事典―草本・木本・シダ 」橋本郁三著(柏書房)

この方はすごいです。日本全国を調査し、食べられると言われている1,300種の日本に自生する野生植物のうち、1,150種を実際に食したという植物生態学者だそうです。
ニッコウキスゲやスミレやツバキの花もレシピになってました!

この本にあったホオノキの食の情報は、朴葉味噌のことでした。
特徴は、枯れた葉ではなく緑の生の葉を使うことをすすめていること。「その香りがすばらしい」との記述があって、記載されているレシピを見たらヨダレがでました。

◇ホオ葉 焼きみそ

材料(2人前):生のホオ葉 2枚、みそ 90g、生しいたけ 1本、牛ひき肉、40g、きざみねぎ おろししょうが 少々、みりん サラダ油 少々

作り方:
1、6月中旬~9月下旬頃、ホオノキから生のホオ葉を葉柄をつけて折りとる。  
2、もぎたてのホオ葉はていねいに洗って水気を拭きとる。
3、みそに、生しいたけ、牛ひき肉、きざみねぎ、おろししょうが、みりんを加えてよく混ぜる。みそは赤みそと白みそを合わせるほうが、味がいい。
4、ホオ葉に、うすく油をひき、網の上で(3)のみそを炭火焼きにする。アルコール燃料で焼いてもいい。
5、心地よく生葉の香りが漂いはじめたら、かき混ぜてむらなく焼けるように気をくばり、しばらく待ったらできあがる。

「食べられる野生植物大事典―草本・木本・シダ 」橋本郁三著(柏書房)より


もう10月ですけど、まだ緑の葉っぱはあるぞ!ということで、作ってみました。
kuuが材料を切って混ぜ、混ぜてる途中にネギの香りにやられて倒れたので、おっちゃんが七輪で焼いて写真を撮っておいてくれました。

朴葉味噌

おいしそうに見えますか?

えとえと・・・・塩からいです。・゚・(ノД`)・゚・。
香りがいいとは感じますが、かなりしょっぱいです。
味噌が多すぎたかもです。
赤みその代わりに八丁みそを使ったのがいけなかったように思います。
リベンジする気持ちはありますが、いっぱい余ってるから来年になりそうです。(^_^;)


「俳句と写真」
「珈琲を語ろう」、更新しました。
「珈琲を語ろう」では、フライパン焙煎のプロローグを書いています。

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コメント

おはようございます!
名前を紹介頂き、ありがとうございますm(_ _)m
アホな質問に対して真摯に調べてもらって、とても
うれしかったです。こうやってまとめて教えてもらうと
とても理解しやすいです。

投稿: むろぴい | 2005.10.26 07:28

◆むろぴいさん、こんばんは。^^
長文の記事になってしまいました。。
興味があるなあと思っても自分だけだと面倒くさくなって調べなかったりしますが、今回のように、顔の見えるやりとりがあると、がぜんやる気になります。
きっかけをくださってありがとうございます。

朴の実が食べられるかどうかは、続けて調べてみたいと思います。 (。・_・。)

投稿: kuu | 2005.10.26 20:18

昨年採った朴の実でお酒を作りました。作ったと言うかリカーに放り込んで置いただけと言うのが正しいかも。綺麗な濃い目の琥珀色になり、香りは養命酒みたいな…。でも舐めた程度で飲んでいません。色々調べたのですが良く分かりません。と言うことで酒棚に飾っております。何か情報有りませんかね?公共の検査機関に持ち込むのが良いのかな?

投稿: Ryu | 2018.07.02 09:50

Ryuさん、こんばんは。
この記事に書いた以上の情報は持っていないのです。
朴の実のお酒がある、という記述は以前見たのですが…詳細は不明です。
5年程前に引越ししてしまい、もう庭に朴の木があるわけではなくなったので、検証してみることもできません。
当時、実際に作ってみれば良かったのですが。
お役に立てずに申し訳ありません。

投稿: kuu | 2018.07.03 00:02

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