小堤西池のカキツバタ群落、再び。 > kuu
昨年、「小堤西池のカキツバタ群落。」の記事に「来年の5月にまた来たいね。」と書きましたが、今年はちょうど花の盛りの季節に小堤西池へ杜若(カキツバタ)を見に行くことができました。5月の気候が寒かったため、例年より遅くなったようです。
5月23日は雨が降っていました。
昨年6月に行ったおりには奥まで車で入れたのですけど、花のみごろの5月は見物客で混雑するため、ちょっと離れた第2駐車場に案内されます。駐車場からカキツバタ群生地まではぬかるんだ狭い道を歩きます。この散歩が楽しい。鷺や雉などの鳥たち、牛蛙、かたつむり、湿地の雑草など、湿原の自然に包まれます。
混雑する晴れの日よりいいだろうと思って、この日は傘を差しつつ、静かな南側からカキツバタや周辺の植物を撮ってきました。
ここは日本三大カキツバタ自生地のひとつですが、以前に比べると花数が減ってきたそうです。現地で配布しているパンフレットの写真のような、たくさんの花は咲かなくなり、ひとつひとつの花は小さく茎も短くなったそうです。理由は、天然記念物のため肥料を撒くことができない、カキツバタをおびやかす水生植物の繁殖、近くの竹林に水分を吸われ湧き水が奪われたなど、いろんな事情があるようです。
1日置いて5月25日、晴天の日、おっちゃんは再び小堤西池を訪れます。(kuuが2回目は行かなかった理由は後日…)
この日は地元ボランティアや市の関係者の方々と話し、カキツバタ群落を守ってきた実績と現状、これからの課題などを聞いてきました。
最近、カキツバタの変異種が増えてきたそうです。本来はさえた青紫色が多いのですが、濃い青紫に淡い青紫、赤紫の花も見られます。
カキツバタは上に飛び上がっているのが内花被(ないかひ=花びら)、下に垂れているのは外花被(がいかひ=がく)です。これらの形や数が違う花が多くなったそうです。
本来は三英(内花被・外花被とも3枚)ですが、ニ英(内花被・外花被とも2枚)~七英(内花被・外花被とも7枚)や、八重咲性、よれ咲性もあるとか。写真はニ英のカキツバタです。
変異種が増え、花は小さく茎は短くなりましたが、正常に増えている株もあり絶滅に向かっているわけではない、というのは嬉しい話でした。
写真は、この地でカキツバタを守ってきた杉浦正巳さん(89歳)。
【国指定 天然記念物】
小堤西池(こづつみにしいけ)のカキツバタ群落
所在地:愛知県刈谷市井ヶ谷町小堤西1
交通の便:名鉄バス 上ノ郷下車、徒歩10分
駐車場:南側 洲原公園第2駐車場
花のみごろ:毎年5月の中・下旬
この地で詠んだ細見綾子の代表句
天然の風吹きゐたりかきつばた
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