「泥の好きなつばめ」
細見綾子賞の審査員をしてくださった辻恵美子さんが、10月に綾子に関する書籍を出版された。辻さんは細見綾子(と沢木欣一)のお弟子さんである。
「泥の好きなつばめ 細見綾子の俳句鑑賞」辻恵美子著(邑書林)
素晴らしい本だ。綾子を好きな人はもちろん、細見綾子を知らない人に魅力を分かってもらいたいと思ったとき、読んでいただくならこの本だと思った。たんば青春俳句祭でお会いした丹波市長にも差し上げた。
綾子の俳句は大好きだけれど、自分は俳句をしない素人の私の立場で一番面白いと思ったところは、200句の俳句鑑賞文の中に、「同じ系列の句」というのが書いてあって、そういう俳句の読み方をしたことがなかったので、新たに綾子俳句の理解を深めることができた気がするのだ。
また遺族としては、細見綾子略年譜に辻さんが調べて書いてくださって、初めて知った事実というのがあって、過去に発表された略年譜とは違った感動があった。
選ばれた200句には私の好きな句は全部入っていて、綾子のエピソードが満載で、親しく感じながら読ませていただいた。
今、この本を出してくださったことに深く感謝したい。
義母と私を繋げてくださった。
「泥を好きなつばめ」のカバーには綾子の生家の写真が使われている。
下の写真も綾子の生家。先日、丹波で撮ったものだが、山茶花が満開だった。
これと同じ山茶花は武蔵野の旧宅の庭にもあった。
だから、とても懐かしく思って花を見上げた。
このブログの過去記事で同じ山茶花の写真を探したら、その日の文章に書かれた生活に思い出がありすぎて泣けてきた。kazeのいた日常がどんなに幸福にあふれていたか…。
私の勝手なセンチメンタルにお付き合いくださる方はお読みください。
「山茶花の咲いた庭。」
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